第1章:学生の体は「完成途中」

学生の体は、大人と同じようで実は違います。骨・筋肉・腱・筋膜は、まだ成長や変化の途中にあります。この時期には以下のような特徴があります。

  • 急に身長が伸びる
  • 筋力と柔軟性のバランスが崩れる
  • 使い方のクセが固定されやすい

つまり、負担が集中しやすく、痛みが出やすい状態でもあるのです。

第2章:よくある学生のケガとその背景

整形外科でよく診るのは、次のようなケースです。

  • 膝の痛み(ジャンプ・ダッシュの繰り返し)
  • すねの痛み(走り込み・硬い地面)
  • 肩・肘の痛み(投球動作・反復練習)
  • 腰の痛み(体幹筋力不足・姿勢の乱れ)

これらの多くは、一度の大きなケガではなく、繰り返しの負担で起こります。最初は「少し違和感があるだけ」でも、練習を続けるうちに「毎回同じところが痛い」状態に変わっていきます。

第3章:我慢が“クセ”になると起きること

「レギュラーを外されたくない」「休むと周りに迷惑をかける」といった思いから、学生さんは痛みを我慢しがちです。しかし、無理を重ねると、体は「痛みをかばう動き」を覚えてしまいます。

  • 別の場所が痛くなる
  • フォームが崩れる
  • パフォーマンスが落ちる

といった悪循環に入り、結果的に長く競技から離れることになるケースも少なくありません。

第4章:受診が遅れがちな理由

湿布だけで様子を見たり、痛みが出たり引いたりしていると、「大したことない」と判断してしまいがちです。しかし整形外科では、“今の状態を知る”だけでも大きな意味があると考えています。

  • どこに負担がかかっているのか
  • 今は休むべきか、動いていいのか
  • どうすれば悪化を防げるのか

これらを早めに整理できるかどうかで、その後の回復速度が大きく変わります。

第5章:まとめ|今の体は、これからも使い続ける体

「若いから大丈夫」「そのうち治る」という考えが、後々の慢性的な痛みにつながることもあります。いつも同じところが痛むなら、それは立派な受診の理由です。

今の体は、これから先もずっと使っていく大切な体。早めにプロの目で見てもらい、適切に整えておくことは、将来の自分への投資でもあります。


この記事の著者

廣野 大介

こうの整形外科・漢方クリニック 院長

廣野 大介(こうの だいすけ)プロフィール詳細はこちら

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本東洋医学会 専攻医