第1章:なぜ女性に肩こりが多いのか

女性の肩こりが多い理由は、一つではありません。

  • 筋肉量が男性より少ない
  • 冷えやすい体質
  • ホルモンバランスの変動
  • デスクワークやスマホ時間の増加
  • 家事や育児で前かがみ姿勢が多い

これらが重なり、首〜肩〜背中の筋肉が常に軽く緊張した状態になりやすいのです。さらに、「頑張り屋」の方ほど無意識に肩に力が入りがちです。自分では力を抜いているつもりでも、触れてみると板のように硬いということも少なくありません。

第2章:慢性化する肩こりの正体

慢性的な肩こりでは、単なる筋肉疲労だけでなく、以下のような変化が起きています。

  • 筋膜の滑りが悪くなる
  • 血流が滞る
  • 姿勢が固定される
  • 呼吸が浅くなる

特に筋膜は、長時間同じ姿勢が続くことで動きが悪くなりやすく、背中や腕のだるさにもつながります。“一時的な疲れ”ではなく、体の使い方のクセが固定された状態と考えたほうが分かりやすいかもしれません。

第3章:「そのうち良くなる」が続かない理由

入浴後や休日に一時的に楽になっても、数日で戻るのは、原因となる姿勢や筋バランスが変わっていないからです。慢性的な肩こりは、長い時間をかけて作られています。だからこそ、「1回楽になれば終わり」というものではありません。改善には、体の反応を見ながら少しずつ整えていく過程が必要になります。

第4章:整形外科でできること

整形外科では、まず関節の動きの制限や神経症状、頚椎や肩甲骨のバランスを確認します。その上で、以下のようなアプローチを組み合わせます。

  • 画像検査による状態把握
  • リハビリによる筋膜や周囲組織の滑走改善
  • 生活動作の見直し

慢性的な肩こりは、“整えては戻る”を繰り返している状態です。状態を確認しながら段階的に整えていくことで、戻りにくい状態を目指します。途中で自己判断でやめてしまうと元のパターンに戻りやすいため、経過を見ながらの調整が重要になります。

第5章:まとめ|肩こりは“体のバランスの崩れ”

肩こりはよくある症状ですが、慢性化している場合は体からのサインです。

  • いつも同じ場所が重い
  • 休んでも完全には楽にならない
  • 頭痛や腕のだるさがある

こうした状態が続くなら、一度きちんと状態を確認してみる価値があります。「ただの肩こり」と決めつけず、今の体のバランスを知ること。そして、焦らず段階的に整えていくこと。それが、慢性的な不調から抜け出す第一歩になります。


この記事の著者

廣野 大介

こうの整形外科・漢方クリニック 院長

廣野 大介(こうの だいすけ)プロフィール詳細はこちら

日本整形外科学会 整形外科専門医

日本東洋医学会 専攻医